1992 夜汽車にのった子どもたち

夜、眠れない子供達が暗闇の中で見つけた壁の“しみ”。その“しみ”はそれぞれの子供達の憧れのキャラクターに見え、やがて動き出す・・・。ちなみに私はプロレスラーを連れた男の子の役でした。“しみ”には最初、力加減がわからなかったり、感情がなかったりしたので、プロレスラーに振り回されたり、はたき飛ばされたり・・・。それでもおおはしゃぎして喜んでる男の子扮する自分がいじらしかったです。

1993

ぼくはきみの夢を見た

太田省吾さんの『棲家』(‘85演劇集団円上演)の劇場中継をテレビで見たのが、私の芝居をやるきっかけでした。そんな太田さんの作品に出られるとあって、毎日が興奮の連続で、書き記せないくらい刺激的でした。太田省吾さんはこれまでも円に、何本か作品を書き下ろしてはいたのだけれど、初めて演出も手がけた作品。一家三世代が登場する劇団ならではの構成。私は無口な?娘の役。太田さんの舞台では、私はだいたい何かを食べている。この時はおにぎり。
マイ・フェア・レディー・イライザ ピンチヒッターだったので、一週間の稽古期間でした。クララというお嬢様の役。地方公演が長かったので、かつら(ブロンドのロングヘアー)がもつれて毛先がすずめの巣、みたいになってとても気持ち悪かったので、裁ちバサミで切りそろえたら、えらく叱られた。ほんと、借り物をそんな風に扱ってはいけないです。すみませんでした。
どんどこどん ナイーブな少年の役。大好きな“ゆきちゃん”(高橋理恵子)に愛を告白?するところで、私はズボンのファスナーを全開にしていて、後でえらく叱られた。わざとじゃなかったんだ・・・。
桜の園

小間使いの“ドゥニャーシャ”の役。世界中でもう何十年も、そして何百人?もがこの役をやってるんだと思っただけで、すごいプレッシャーになった。劇評も、いつのあの役者が良かったとか書いてあったし・・・。

1994 エレメント

天井にやじるしの形をした“しみ”があって、その指し示された方向へ歩いていく、『やじるし』シリーズ。なんら変哲もない“いつもの朝”。やじるしを見つけた母が突然家を出ていってしまう・・・。私の役はその娘。母を捜しに出た娘が途中に出会う浮浪者(品川徹さん)とのやりとりのセリフは、新聞広告とちらしのキャチコピーだけという、すごいシーンだった。この時食べたのは、食パン。

東京サンシャインボーイズの罠 同級生のお葬式で何十年ぶりかに集まった仲間達。私の役は“ヘガッパ”。三谷幸喜さんの作品に初参加。シチュエーションコメディーがどういうものなのか、さっぱりわからなかった私にいろいろアドバイスしてくれてたのが、当時三谷さんの演助をしていた福島三郎さんだったのでした。
1995 BeSeTo「水の駅-2」 聞こえてくるのは舞台中央の壊れた蛇口から細く流れる水の音だけ。登場人物は沈黙したまま、ゆっくりと水場へたどり着いては去ってゆく、『水の駅』シリーズ。『水の駅-2』では、日本と韓国と中国の俳優が出演。そして中央に舞台の何メートルも上から流れ落ちる一筋の水。この水を浴びる少女(私)。舞台稽古で、まだ水量が調節されていなかった時、高いところから私の額めがけて落ちてきた時は、ほんとに痛くて、沈黙劇なのに思わず“いたっ、いたっ!”と声を出してしまいました。この時食べたのは、ピーナッツ。  
1996 キオミ・ 最初で最後の一人舞台。コンテンポラリーダンスと芝居をミックスさせたような激しい作品。よく身体がもったものだとつくづく思う。
1997 パウル氏 ワークショップに参加して、世間話とか私の失敗談とかを通訳の方に訳させて、ヨッシ(演出家)を笑わせてたら、実はオーディションだったという作品。で、ついた私の役は「わたし、もってるもん」と一言だけ喋る知的障害をもった少女“アニータ”。この時は本のページや羽毛やスリッパや装置や、いろんなものを食った。
泪目銀座「THE ARAKISANCHI SHOW」

福島三郎さんのユニット、泪目銀座に初参加。平凡にそば屋を営む荒木さん家(おかやまはじめさんと私)に、突然報道陣が押し寄せて・・・。確かこの時、制作費がなくて宣伝もあまり出来なかったんですよね。初日のお客様の入りがよくなかったような気がします。ところがステージを重ねるごとに倍々にお客様が増えていって、千秋楽には場内が超満席になりました。この時クチコミのすごさを知りました。荒木道子役。

ラッパ屋「エアポート’97」 鈴木聡さん率いるラッパ屋に初参加。イケてないランパブ嬢、財前の役。本番当日にやっと台本が仕上がり、とにかく必死で役作りに取り組んだという記憶が大きいです・・・。飛行機のドアが上空で開いて、乗客達が吸い出されるというシーンは、みんな芸がこまかくて素晴らしかったです。
1998 泪目銀座「春まるだし」

過去と現在の大晦日が舞台。落研に入部した、正義感の強い、純真無垢な矢野幸代役。ずっこけたり、セリフ忘れたり、出とちったり、幕開きしょっぱなから、この作品の内容に感動して泣いてたり、いろいろヘマしたけど、結局それが私の青春の思い出のように、いまでも鮮明に残っています。我ながら学生服がほんと似合ってた。後にパンチパーマの須増さん(福本伸一さん)と結婚してたというところは“なるほど〜”でした。

UZURA「水の駅-3」 太田省吾さんの『水の駅』シリーズ。もう最後かもしれない少女役。何故か私が参加すると海外公演がポシャるというジンクスがあったのですが、初の海外進出!シンガポールではインド街にすっかりはまってしまい、公演が始まる直前まで、寺院で休んでいました。そしたら、僧侶が何故か私にバナナを与えてくれるのです。ちなみにこの舞台で食べたのはフランスパン。
ラッパ屋「中年ロミオ」

初の母親役だった。娘は弘中麻紀ちゃん。年かわんないんだけどな〜。それから同い年の植本潤くんが、私より10才以上年下の役だったのが納得いかなかったです。

1999 泪目銀座「サニー・コースト・セレナーデ」 瀬戸内海に浮かぶ小さな島での大きな出来事。朝倉伸二さんと夫婦役で下田和歌代(バカヨ)。小学校の時ブラスバンド部だったという設定のため、みんな楽器を演奏しました。私は管楽器の中で最も難しいと言われるフルート担当。うまくなられちゃ困るから独学でやってくれと演出家に言われ、どれが“ド”かもわからない状態から気が遠くなるような作業を経て、2週間でマスター。この時の“根性の音色”はCDに収まりました。
猫町 別役実さんの書き下ろし。萩原朔太郎の『猫町』がモチーフに。現実なのか夢なのか、一人の旅人が人里離れた不思議な町に迷い込む。私はそこに棲む“ふみ”。しっとりと静かなたたずまい。そこに秘められた激しさ・・・。
遠い日々の人 平田オリザさんの作・演出。太宰治の『斜陽』とチェーホフの『桜の園』をたして2で割ったような作品。平田さんの作品では、やたらと何かをしながら話したり、あっちとこっちで同時に話したり、時々あっちがこっちの会話に割り込んできたりする。確かに日常では、私もそのように器用なことやっているのだ・・・。やっているのだけれど芝居となると、これが出来ない。不器用な自分をいやという程、見てしまった作品。長女、秋江役。
2000 抱擁ワルツ

太田省吾さんの作品(‘79)。円の若手演出家、阿部初美のデビュー作。夜の河原での出来事。二人の男が精子の話から宇宙へと思いを馳せていく。生や死、そして“今ここにある”ということを考えさせられる作品。円の小劇場の会での上演時は、太田作品では初の大人の女(母親)の役。その後の再演時(仙台公演)には、少女役で。

泪目銀座「夢から覚めても」 またまた朝倉伸二さんと夫婦役で、渡瀬はつこ。夢の中では“マリリン”(ダーリンからは“バビビ〜ン”)と呼ばれていて、相変わらずのバカ夫婦でした。でもちらしの写真を見ていただきたい。作品に残っていたのは、私が扮するマリリン・モンローだけだったのでした。ナミギンが初めて大阪に進出した作品。
《不思議の国のアリス》の帽子屋さんのお茶の会 ヘンなアリスの役。ブロンズヘアー(またもやかつら)にピンクのリボン、ブルーのワンピに白のエプロン。いくらヘンとは言えども、子供達に大人気の童話の主人公。胸を張って舞台に登場してるのに、“アリスは〜?アリスは〜?”と目の前にいる私に気付かない子供や、“こえ〜!”と引いていく子供。観客に大いにウケて私も思わず仰け反ってしまったのは“あっ、しんごママだ〜”と子供が叫んだ時・・・。
2001 ダンダンブエノ「持ち上げる人」 瀬戸輝子役。紅一点だということで、ホントに皆さんにはよくしていただきました。(他に私と比較する女性がいなかったからね〜)近藤さんは、私に輝く子であって欲しいということで役名を輝子にしてくれました。きめ細やかな配慮・・・。こんないい思いができる舞台は二度とないんだろうな〜。
おやすみ、こどもたち 第二次世界大戦直後のロンドンが舞台。両親を亡くしてしまった4人姉弟の話。私は、看護婦として働き一家を支えている、長女ベティの役。妹に愛する人を奪われてたり、妹と弟が近親相姦だったり、私も舞台上で服を脱いじゃったりと、けっこうヘビーな内容でした。音楽は“世界のオゾネ”で知られるジャズピアニスト、小曽根真さん。実際に稽古場で、役者の動きを見て、役者の心の動きを感じ取って、曲を作るのです。ほんと素晴らしかった。休憩時間に、彼がピアノを弾き始めると、自然と人が集まってよくライブになったものです。
リフキ鳥のくちばし 東京のどこかの空き地に棲む浮浪者達の話。私は知的障害をもっていて、横須賀で外国人相手に身を売って生きてきた、“ルミ”という女の子の役。悲しい生い立ちだけど、自分に正直に、優しく、たくましく生きる彼女の姿は、みんなの心に明かりを灯すのでした。そして、共演した本物のニューハーフ“しじみちゃん”は、これでもか!ってほどに明るく元気でたくましい人でした。
2002 日韓国民交流記念事業
『その河をこえて、五月』

稽古の1ヶ月前から日韓両国の役者は、お互いの国の言葉をそれぞれ勉強。稽古では台本を各シーンごとに、しょっちゅう作家・演出家・役者で話し合い、修正しながら作っていったので、最後に作品を通してみるまで、全体のストーリーがどのように展開しているかわからない、というものだった。

この作品は、日本にて「朝日舞台芸術賞・グランプリ」を、白星姫(ペク・ソンヒ)先生は、韓国にて「舞台芸術賞」をそれぞれ受賞しました。2005年5月より東京・日本全国・韓国にて再演。

4時48分サイコシス

ドラマリーディング。1998年、28歳で自殺した、サラ・ケインの遺作。2年程前から演出家阿部初美と、サラ・ケインの作品上演にむけての勉強会を開始した。

彼女の作品は、レイプ、セックス、戦争などなど、過激なシーンが多いため、上演にはむかないとされてきた。ドイツ、フランスなど、ヨーロッパでは、ここ数年、彼女の作品を数多く上演。アジアではこれが初めて。

ヤジルシ〜誘われて

「↑」(やじるし)シリーズ・・・「↑」「水の休日」「エレメント」に続く第4弾!

ある日天井に現れた矢印の形をしたシミ。それに導かれるかのように、矢印が示した方向へ旅をしに行く。

ちなみに私も矢印に導かれた一人。ある日、ふと手にした地方新聞の「東京の演劇案内」と言う欄に小さく書かれた「↑」。その記号がどんどん目の前に迫ってきた。“これだ!”それは転形劇場(太田省吾さん主宰)の公演情報だった。そして私は上京することになる。

2003 謎の下宿人〜サンセット・アパート〜 観客の約9割が稲垣吾郎くんのファンというこの舞台の本番では、連日ハプニングが続出。私は、水の入ったコップを持てばひっくり返し、飲めば吹き出し、コーヒーで衣裳を染め、しまいには台風に見舞われ、松金よね子さんに”水難の相が出てるよ。”と不気味がられ・・・。全員がどこかで何かをやらかしてて、とうとう何も起こらなかった日は1日もなかったという前代未聞の驚異的な作品。そんな舞台を誰よりも一番楽しんでいたのは、何と言っても吾郎ちゃんだった。そして、吾郎ちゃんファンから声援を受けていた私を唯一嫉妬していたのも、やはり吾郎ちゃんだった。
2004 見よ、飛行機の高く飛べるを 山登りが大好きと言うアントワーヌ・コーベさんは、来日の度にわざわざ劇場から3kmくらい離れたホテルに滞在し、劇場まで歩いてやって来る。タフだ。そして穏やかな佇まい、深い眼差し。まるでその存在感は”アルプスの山”と言った感じだ。(見たことないけど。)フランスでコーベさんは、シンプルで抽象的で実験的な舞台を創っているらしい。1911年、日本の明治時代の女子師範学校が舞台のこの作品が、どのような新たな姿となって現れるのかとても楽しみなのです。
2005 母アンナ・フィアリングとその子供たち イスラエルからやって来たルティ・カネルさんと、日本の俳優、ダンサー、狂言師とのコラボレーション。
私の役はタイトルにある「その子供たち」の中の末娘。二人のお兄さんの役に狂言界のホープ、三宅右矩・近成兄弟。
私より一回り以上年下の彼らを兄と慕うには、快感と不安と罪悪感が入り交じる。そんな私にルティさんは、「ヘンゼルとグレーテル」の”グレーテル”みた いだって・・・。ルティさんって素敵な人なの。
ドイツ語圏の現代戯曲
『エルドラド』
ドイツで注目されている若手劇作家、マリウス・フォン・マイエンブルクの新作『エルドラド』のリーディング。
初演は2004年12月、ベルリンのシャウビューネ劇場にて。作品の舞台はイラクやアフガニスタンと思われる紛争地域。
そこへ利益を得るためにやって来た人々。まさに”現在”を描いていて、人間にとっての幸せとは、欲望とは何なのかを考えさせられる作品。
日独共同創造演劇プロジェクト
『四谷怪談』Yotsuya Ghost Story
『パウル氏』から8年。ドイツの演出家・ヨッシ・ヴィーラーが2度目の来日。日本ではよく知られている歌舞伎の『東海道四谷怪談』 を尊重しつつも、ヨッシ・ヴィーラーと日本の俳優達が、様々な可能性を探りながら、新たな『四谷怪談』YOTSUYA KAIDANを創作していきます。
私はお岩役で。ベルリン芸術祭参加(2005年12月)。2006年ヨーロッパツアー予定。
2006 にしすがも創造舎上演プロジェクトVol.2
『4.48 サイコシス』
2002年、ドラマリーディングによって日本で初めて紹介されてから3年。サラ・ケインの作品は、日本でも様々に表現されてきた。
彼女の遺作となった「4.48サイコシス」で語られる言葉には、想像力を働かせる”力”と”深み”と”広がり”がある。そして、この作品に向き合うたびに新たな発見がある。
言葉に耳を澄ませ、あらゆる可能性を追求し、新解釈で上演します。


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